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被災地応援“ピラール・ド・スール日本語学校図”

 
 8月11日。
1万5000人以上が亡くなった東日本大震災。あれから5か月が過ぎました
 「時間」は過ぎましたが、この「出来事」は過ぎてはいません。過去ではありません。今もまだ続いています。
 
いまだに4500人以上が行方不明となっています。
 そして無事助かった人達も、まだ大きな悲しみや不安などを抱えて生活をしてるのではないでしょうか。

 決してすぐには元の生活に戻ることはできません。もう戻れないのかもしれません。
 親戚の家で、引っ越して新たな土地で、仮設住宅で、避難所で、様々な場所で生活をしています。

 そして現在、
仮設住宅や避難所などで避難生活をおくっている人たちは、8万7000人以上もいます。
学校などに約1万3000人旅館やホテルに約2万人

 避難所の生活の様子やこの人たちの気持ちは、マスコミの報道などである程度は知ることができます。
 でもそれらを正確に、真に理解することはできないことではないでしょうか。

 それでも想像力を働かし、自分をその身においてみれば、きっとより多くのことが見えてくると思います。



 
 震災直後から生徒たちは「震災学習」で学んだり、お小遣いを義捐金として出してくれたりしました。 
 そして生徒たちが応援メッセージを書くと、色々な方々が努力してくださった結果、自民党総裁に届けることができました。

 5か月たった今、私たちに何ができるのか。私たちにできることはないのか。
 そう思っていた時に、「日本の被災地に絵など何か作品を送ってみては」という話が聞きました。 

 私たちが作った物が、はたして被災地の方々にどれぐらい元気をあげられるのか。
 どれぐらい心に明るいものを届けられるかわかりません。
 形だけで終わるかもしれません。自己満足で終わってしまうのかもしれません。

 でも、それが、

 “今私たちができること”


 8月12日、ようちえん児を含めたピラール・ド・スール日本語学校の全生徒で、
 「被災地応援“ピラール・ド・スール日本語学校図”」を作りました。
 元気そうなみんないるこの活気ある“学校図”を見た人たちが、少しでも元気になってくれたらと思います。


@ 好きなポーズの自分の体を描いて、ぬります
午前のクラス ん〜〜、どんなポーズにしようかな〜 えんぴつで描いたら、色ペンでぬろう!
午後のクラス おや、となりの友達が描いているのを
見てますねぇ。どんな体なのかな?
ようちえん児もいっしょにしました!


A 作った体を切り取って、自分の顔写真にくっつけます
うわっ、みんなの顔だらけだっ!
えーっと僕の顔は・・・
よし、ぼくの顔とぴったりだ! 頭と体をくっつけて、っと。
はさみで切って、っと。 頭の形に切るんだよ。まちがえて、顔の形に切っちゃいけないよ・・・ 手も足も切っちゃいけないよ。


B 作った「自分」を、“学校図”の好きな所にはります
さあーどこにはろうかなー。
ここだっ!ペタッ。
どこにはろうか考えてあげるエリーナ先生。
柔道の技をかけ合うようちえん児達・・・


C 色んな形のパンチで穴を空けて作った小さい色紙を、文字の上にはりつけていきます
2人組か3人組になって1文字を完成させます。 紙がちっちゃいから、はりつけるのも大変。
もう!文字じゃなくて指にくっついちゃう!
「あー、色紙がなくなっちゃった。」
それはベタベタむだにつけすぎです(>_<)
自分たちでパンチを使って作ってね(^.^)/~~~
できるだけ白いところを残さないように、
きっちりとね!


D できあがり

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そして、完成はこうなりました
                    
 

ブランコで遊んでいる子すべり台で遊んでいる子教室で本を読んでいる子グラウンドで走っている子砂場で走りはばとびをしている子体育館でサッカーをしている子木にのぼっている子石の上に立っている子たいこの練習をしている子、日本語学校でいろ〜〜〜〜んなことをしている生徒達がいる、
            
楽しい学校!    ができました!!


被災地で生活をしている子ども達。地震で通っていた学校や友達を失い、今はそれまでとは全くちがった学校生活を送っていると思います。大きな悲しみや辛さを胸にひめて。そんな子ども達が元気になってほしいです。もっともっと元気になってほしいです。
 そして、思いっきり遊べるように、思いっきり運動できるように、思いっきり走りまわれるように、少しでも早くそういったグラウンドや場所を用意してあげてほしいです。

 この大震災、そして今の状況(じょうきょう)を、少しでも早く、少しでも高く乗り越えられるように、子ども達が「思いっきりの元気、思いっきりの笑顔」になれるように、それができる人達に精一杯努力し頑張ってほしいと強く、強く願います。

 こうやって言うのは簡単でも、実際には非常に大変なことで多くの困難があることもわかります。
 それでも、私達は願わざるをえません。
 子ども達の「今」はかけがえのない時間です。
 大人になってからでは取り戻せないとても大切な時間です。
 一日一日を、一瞬一瞬を決して無駄にさせてはいけない貴重な時間です。

 しかるべきことができる方々。
 もうこれ以上彼らの輝くべき時間をうばわないでください。
 子ども達の心の奥底まで見ようとし、しっかりとその心を理解しようとしてください。
 安心させてあげてください。子ども達に大きな笑顔と輝きを取り戻させてあげてください。


 私達は切(せつ)に願います。
 被災地で生活をしている子ども達が、このピラール・ド・スール日本語学校の「学校図」のような元気で輝いた学校生活をおくれることを。




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